三菱製鋼【5632】黒字転換か?赤字企業ゆえの超割安圏から大逆転株価上昇を狙ってみる逆張り投資

2021年7月17日

株価底値圏での出来高増に期待!

長期にわたり減益、そして赤字の企業は、当然ながら株価も延々と下がっていきます。

そんな企業の株価が復活するときはあるのか、テクニカルファンダの面から三菱製鋼(5632)に今回は注目してみます。今回紹介する二つはかなり強いシグナルだと思っています。

・底値圏での出来高増を伴う株価の上昇
・赤字続きからの一転黒字化のタイミング

チャートで見る出来高増と反転上昇の始まり

減益が続き、株価は大きく下落。コロナ禍の赤字で500円まで下がった後、回復期待から1,000円まで上昇 画像はTradingViewより

三菱製鋼のEPS(一株利益)は2014年頃には200円ほどの水準を保っていたものの、2019年にはわずか18円まで低下、その後は赤字転落となりました。

投資家にとって利益の伸びない企業の株なんて持っていても仕方ありません。もちろん株価は右肩下がりの展開に。見向きもされない株は出来高も下がります。

ところが2020年末から急に出来高が膨らみました。そこで株価も反転上昇。

テクニカル分析で底値からの上昇シグナルとしてはゴールデンクロスなどが有名ですが、正直それだけを信じていても結果に裏切られることも多いです。

しかし、そこに出来高の変化をプラスして考えると一気に信憑性が増すのです。

底値圏での出来高増からの反転上昇は、相場参加者が入れ替わって売り圧力が無くなるとか、期待感から新規参加者が増加しているとか、様々な理屈が考えられますが、経験上かなり強め上昇シグナルです。

『一般的には、マーケットにおいて、「出来高は株価に先行する」といわれています。したがって、「株価」のみに焦点を当てたアプローチよりも、「株価」と「出来高」を組み合わせてアプローチすることが、テクニカル分析の精度を高めるうえで大切なポイントといえるでしょう。』お金のキャンパス(みずほ証券)より引用

果たして本当に黒字化するのか

『22年3月期業績予想については、他の要因も含めて現在精査中としている。』下記リンク先:株探より

『16 年度に策定した前中期経営計画は(中略)最終年度である20 年度の数値目標達成は遠く及ばない状況となった。(中略)これからの3年間はまず傷んだ財務を回復するべく、利益を確実に出すことができる企業体質に戻すことが先決で、早期に実現させる。(中略)当社は素材メーカーであり、素材を使った加工メーカーでもある。両方を自社に持つメーカーは少なく、この強みを生かしてシナジーを発揮することによって、さらに成長していきたい』下記リンク先WEB産業新聞より引用

上は社長インタビュー記事です。企業経営は難しいもので、トップが計画すれば即黒字化というほど甘くはありません。ただし、万年赤字企業の中にはアルバイトが書いたかのようなIRを出したり、経営トップが一切表舞台に出てくることはなく具体的な経営計画も立てられない、というような企業も少なくありません。

そういった企業の株なんて絶対に買えませんね。経営者が前向きな姿勢を見せれば必ず黒字化するというものでもないですが、少なくとも見ていてダメな企業の見分けはつけられます。

上記インタビュー記事では16年からの計画が未達に終わった反省点などもしっかり分析されている様子が感じられ、これを読む限りでは収益体質の改善に向けてきちんと計画を立てられていそうだなという印象を持ちました。

本当に黒字化&V字回復を達成できるのか、結果はこれからとう段階です。確信してはいけません。ただし、株価は既に反応を始めているので、投資家としてはチャンスを感じるタイミングに差し掛かっているとも考えられます。

(四季報には黒字化と載っていますが……)

安心材料があるとすれば、これでしょうという記事↓ 特殊鋼メーカー5社ともに今後の景気回復によって増益などの予想をしているところですね。周辺環境は悪くなさそうです。

赤字の続いた企業に投資するリスク

なんといっても自己資本比率は見逃せません。お金が無ければ危険度大。

そして自己資本比率有利子負債と比較することも忘れてはいけません。

このあたりは各証券会社のサービスなどを利用して調べてみるといいでしょう。(利用者向けのサービスなのでここには転載できませんでした)

『有利子負債自己資本比率が100%以下の場合は、有利子負債よりも自己資本が大きいことを表しているので、財務の安全性は高いと判断されます。
反対に100%を超える場合は、自己資本よりも有利子負債が大きいことを表しているので、資金繰り悪化などのリスクがあり、財務の安全性は低いと判断されます。』リンク先ZAi探より

非常に残念なことに三菱製鋼は2020年から有利子負債が自己資本を上回っている状態です。大手の大同特殊鋼(5471)はもちろん山陽特殊製鋼(5481)も愛知製鋼(5482)も有利子負債より自己資本の方が大きいですから、三菱製鋼は財務状態が悪い方と言えるでしょう……。

ここは安定しているというよりは、大逆転を狙う場なのだと考えるべきだと思います……。

結局どうなの?

三菱製鋼(5632)の投資妙味については、ファンダ的に不透明感は残るものの、テクニカルと組み合わせると熱い展開と分析します。

というのも同業他社の場合は株価チャートを見てみると三菱製鋼ほど綺麗な反転ではないんですよね。

例えば大同特殊鋼(5471)。コロナ禍でも赤字転落していないですし、安定性を求めるのなら投資対象と考えても良いでしょう。ただし、なにせ安定しているだけあって株価も比較的安定しており既にコロナ前の水準に持ち直しています。いまから買って上昇余地はあるのかどうか……。

投資家によっては、一度でも赤字を出した企業の株は買わない、という人もいます。反面、あえてリスクをとって利ざやを狙う投資家ももちろんいます。

三菱製鋼はPERで見ると2017年頃のEPSが比較的安定していた時期は12倍~15倍くらい。その頃の株価は2,000円以上。2021年3月の実績は残念ながら赤字でしたが、5月に出された会社予想では2022年3月期には黒字転換しPERは5倍程度になるそうです。もし本当に会社予想が達成できたら単純計算で株価も倍という期待もできるでしょう。(2021年7月現在において、あくまで会社予想の数字です!)

同じく黒字化もしくは増益予想の同業他社の、予想PERは10倍~20倍ですから、三菱製鋼の予想は強気と見るかどうか……。

ちなみに本記事執筆が7月上旬、三菱製鋼の決算発表予定は8月5日で、特殊鋼の大同特殊鋼など同業種銘柄の決算はそれより早く7月末の発表予定ですから、事前にそちらもチェックするのが良いでしょう。ある程度は似たような傾向になると思われます。(もしかするとその時点で三菱製鋼の株価に影響があるかも?)

投資手法は様々だと思います。本記事はその中でも中長期の逆張り&黒字化期待の紹介でした!