タマホーム【1419】そのとき何が起きたのか?2021年夏のワクチン騒動。ESG投資の時代はスキャンダルにも注意!

住宅メーカーのタマホーム(1419)は業績好調により2021年7月に決算発表後、2,300円だった株価が一時3,245円まで急騰しました。

その後は8月(記事投稿時)に2,200円近くまで下落。わずか2,3週間の出来事です。

タマホーム(1419)日足チャート2021年8月

社長の反ワクチン動画というスキャンダル

注意しなければならない点として、週刊誌メディアの記事投稿の手口を知っておくことも重要だと個人的には考えています。この点については後ほど触れます。

時系列に沿って追ってみます

①7月頃から「タマホームはワクチン接種した従業員を出社禁止にする」という噂がSNSで流れ始めます。

②タマホームはIRで噂を否定(7月15日)。このときからIR担当者の苦労が窺えます。「ワクチン接種しないよう強要している」「接種した場合、懲戒解雇する発言している」の二つを否定していますが、全ての疑惑については触れていません。なるべく嘘を吐かないように苦心したというような印象を受けます。言い換えれば何か心当たりがあるな、という感じ。

個人投資家の間で「空売りのチャンスか?」とざわつきます。当ブログでは噂レベルでの空売りを非推奨。

こういう空売りは結構危ないです。実際翌々日までは株価も上がりました。(その後は下がった)

③その後、一部週刊誌で社員の声などが(7月20日)報じられ、株価も急落します。

④タマホーム側は再び慎重な言い回しでIRで否定(7月22日)。「この件については事実ではありません」じゃあ他の疑惑は?という感じ。これについては報道側もゴシップ記事のプロで、事実らしいネタのすぐ近くに仮定の話で「もし事実なら問題が……」と並べ立てるわけです。まるで全ての疑惑が真実であるかのように感じてしまいます。

よく読むと、週刊誌側の記事もIRの内容も矛盾していない部分もあるのですが、お互いに都合の良い方向に印象操作する泥仕合の展開に。

⑤IRに応じるように週刊誌側がさらなる動画公開で追い打ち(7月28日)。タマホーム玉木伸弥社長が社内向け動画で医学的根拠の無い反ワクチン活動を行っていた模様。この動画がインパクトが強く、ネット上でもかなり大きな話題になります。大丈夫!大丈夫!

ただ、ここまで来ると報道側も卑怯な手口を使ってきます。動画は2020年2月のもので、少なくとも2021年夏におけるワクチンについての一般的な理解から見れば落差があります。例えば動画撮影当時には反ワクチンだったのが現在は心変わりしていてもおかしくありませんよね。

ところが玉木伸弥社長は現在でも反ワクチン派であることを示唆するネタもセットで報じます。すると読者は動画も現在のものと誤解して受け止める結果に。このあたりの印象操作は間違いなく恣意的なものと思われます。ゴシップ業界では非常によくある手口です。(動画のインパクトを現在に時期をずらしただけで、事実関係はそれほど印象と変わらなさそうなところも狡猾ですね)

⑥これについてもタマホームはIRで否定(7月29日)。IR側も似たような手口を用いて印象操作に励みます。まず動画の時期を挙げて、当時はワクチンについて医学的知見が確立していなかったと指摘。次いでワクチン接種した従業員を無給にしたという報道を否定。合わせて読むと何も問題が無かったように感じてしまいますが、全ての疑惑を否定したわけではありません。

さらに週刊誌側から加賀山健次取締役のハラスメント疑惑が報じられる(8月4日)。←いまここ

ESG投資の時代における投資家の姿勢

ESGが盛んに叫ばれるようになりました。今回はGの部分について。いわゆるガバナンス(企業統治)です。

すでに世界全体で31兆円ドルの資金がESG投資に流れ込み、この流れは今後さらに加速すると見られているのだ。』下記リンク:マネー現代

ESGのGは要するに不正とかをしないように気をつけているかどうか、ということです。

ここで個人投資家が覚えておかなければならない点について、

おたくのファンド、パワハラ疑惑の会社の株持ってるよね?

うん!めっちゃ業績良いよ!

ふーん、もうおたくのファンドとは取引しないわ。全部解約な。

ええっ!どうして……?

という流れで機関投資家やら投資信託やファンドといった資金が流出していくリスクが生じるのです。(あるいは、上記の流れを予測する投資家たちが株を売ってしまう)

怪しい会社には近寄りたくない、という感じ。

ですので個人投資家も株を買う際にはESGの観点に注意が必要です。繰り返しますがESGに反する(疑いのある)企業の株は今後あまり買われなくなる可能性があるということです!

スキャンダルは二重三重に報じられる

ゴシップ記事に限りませんが、不正を報じるときの手口として、「最初はネタを小出しにして、相手が否定してきたら本命のネタで上書きさせる」というものがあります。

よく政治家を追い詰めるときに、まず不正を報じて「秘書がやった」と言わせてから、本人が指示を出していた証拠を提示するやり方が見られます。この嘘つき!というわけです。

報道側がどこまで情報を握っているのか、最初の記事ではわからないというところに注意が必要です。

個人投資家としては、噂レベルの段階で察知して、株を持っていたら速やかに撤退する方が無難なのかもしれません。最初の報道を企業側が否定しても、報道側は更なる追い打ちを用意している可能性がありますからね。

不正を起こしやすい企業の特徴、見分け方とは

ほぼ印象論ですが創業者一族が株主や役員を占める同族経営の企業は不正や赤字転落のリスクが比較的大きいようです。(社長の子供が次期社長になるパターン)

ですが同族経営の方が愛社精神が強いとか、いろいろ事情があって一概には悪材料だとは決められません。社長が株主なら株価が上がれば二重に嬉しいので、頑張ってくれるだろうという期待を持つこともできます。

見分け方としては、役員、取締役、そして大株主に同じ名字の人間が名を連ねている場合は怪しさが増します。四季報などで確認してみましょう。

上場企業でも中小型株などでは今でも珍しくない気がするので警戒することをオススメします。さすがに副社長とかその他の役員まで社長の親族や配偶者というのはちょっと……。

株を押さえられると役員人事も株主が自由にできますし、株主まで創業者一族が占めていると、誰も逆らえないという状態になりやすいです。このあたりのガバナンスはどの企業も問われる時代になりますね。

他には社長や取締役の名前でインターネット検索すること。一度不祥事を起こした役員が、別の会社の役員になっていたり、様々なパターンで会社に居残っているケースが見られます。そういう役員は危ない予感。

最近はオリンピックも炎上するし、不正をネタにすると儲かります。間違いなく企業の不正も狙われますので気をつけましょう!

ちなみにタマホーム(1419)の場合は典型的な同族経営であり二代目社長であり大株主も役員も創業者一族がいっぱいいっぱいになってます。